下宿生活にかかる費用の多くは家賃と食費です。これが毎月の支出の大半を占めることになりますので、このページでは下宿にかかる費用(特に家賃と食費)を最近の統計データをもとに紹介し、自宅生と下宿生でどれほどの出費に差があって、食事ありと食事なしではどのような差が生まれるのかをご確認いただきたいと思います。
そして、食事付きの下宿についてはさらにもう少し詳しい内容のご案内と学生会館や学生寮との比較をご紹介して、最後に毎月の費用とは別に、下宿の契約時だけにかかる費用を詳しくご紹介させていただきます。
下宿生活を始めるとなると、まず、最初に気になるのはおそらく下宿にかかる費用だと思います。家賃はもちろんですが、下宿生活を行う上で、実家から学校で通うという学生に比べ、使われる費用も大きく異なってきます。
ここに一つのデータがあります。その名も「学生生活実態調査」。これは全国大学生生活協同組合連合会が全国の国公立および私立大学の学生に毎年行っているアンケート調査で、1万名以上の学生から回答を得られたものですから、それなりの信ぴょう性があるデータと言えます。
その最新データによりますと、自宅生(自宅から大学に通う生徒)の毎月の生活費の収入平均は62,310円でした。主な収入の内訳はバイト代、親からのお小遣い、奨学金などになります。一方、自宅外生(この調査では下宿・アパート・マンション・学生寮・学生会館すべてを含む)の毎月の生活費の収入平均を見てみますと120,820円となっていますので、およそ2倍になります。これは自宅生と同じようにアルバイトや奨学金に合わせて、そこに保護者からの仕送りが加算されたためです。仕送りだけで見てみますと、平均70,610円という数字になっていました。
また、自宅外生の家賃支出の平均は51,990円で、これは例年よりも若干減っていますが、それでも50,000円は普通に超えている数字でした。
この「学生生活実態調査」には自宅外生の食費についてもデータが掲載されており、毎月の食費平均は24,770円でした。約25,000円と考えても1日に換算すると800円ちょっと。1日3食分で800円ですが、やりくり上手の主婦ならうまくまかなえるかもしれません。
一人暮らしが初めてで、一切の食事の準備を一人でしなければいけない学生さんにとっては想像がつかないかもしれませんが、安いと言われている大学の学生食堂を利用しても、一回につき300円もしくはそれ以上かかりますので、残り500円で朝晩の食事をするのは、すべて自炊でまかなうとしてもかなり工夫が必要になってきます。ましてや友達と一緒に軽い気持ちで外食などしてしまうと1日分の食費が一気に飛んでしまうでしょう。
もう一つ注目すべきは、この「学生生活実態調査」では食事つきの下宿(学生会館・学生寮を含む)の人たちが含まれていますので、この学生たちが平均食費額を下げているとも言えることです。実際の話、純粋に食事が提供されない普通のアパート暮らしの学生の食費は、3万円から4万円以上かかってしまう場合もあることは十分予想できます。
そのため多くの学生にとって親の仕送りだけで平均的な下宿やアパートの家賃を払い、そして食費をまかなうのは、地域にもよりますが、かなり厳しいといってよいでしょう。
これはあくまでも平均ですので、全てに当てはまるわけではないですが、自宅外生のほとんどが仕送り以外の収入を得ていないと物理的に生活できない状態なります。
食事つきの下宿でみますと相場として食費込みの家賃は6~9万円ぐらいになります。
この中には食事つきの下宿の他に、学生会館や学生寮も含みます。家賃に食費が組み込まれていますので基本的にこれ以上かかることはありません。これで毎月の大きな出費(家賃・食費)がすでに分かっていますので、残りのお金はその他の生活費にあてることができます。食費込みの家賃を、下宿形態別に安い順番で並べてみますと、
学生寮 < 下宿 < 学生会館
の傾向が高いと言えるでしょう。学生寮は学校側から資金的な補助がある場合もありますので、費用の家賃の安さでは一番でしょう。部屋の構造や築年数、食事の種類によって費用は違いますので確認が必要でしょう。ただどの学生寮もはっきりしているのは、集団生活としてのルールがはっきりしていて、先輩・後輩の上下関係も厳しく、学生会館や下宿とくらべ窮屈な感じがするのは否めないでしょう。
学生会館は学生寮や下宿と比べると割高になりますが、比較的キレイな建物も多く、防犯対策などもより充実して室内設備や共有設備など十分にそろっているところが多いので、その分高めの家賃設定になってしまいます。
なお、家賃が多少高くても学生会館に興味がある方は、こちらのサイトをご覧ください。
また、学生寮にも興味がある場合は、こちらのサイトがお勧めです。
まず、一般的に下宿・学生寮・学生会館のどの場合でも契約時だけ請求される礼金(学生寮では入寮費、学生会館では入館金)があります。これは解約時には返金されないお金で、一般的な下宿では家賃の1か月分が相場です。
そのほか、敷金あるいは保証金と呼ばれる費用があり、部屋の物が壊れたり、ひどく汚れたりしたような、何かあった時の費用として預ける形になるもので、こちらは解約時に返金されますが、日常的に使っている以上に汚れている場合などは、修繕にかかる費用などを引いてから返金される形になります。
また、下宿と直接契約をせずに、不動産屋さんを通して決めた場合は、既定の手数料が発生してしますので、事前に確認をしておいた方が良いでしょう。
さらに、契約時には前家賃として最初の月の家賃や管理費・食費などかかります。
このように、契約時にかかる費用は予想より多くなりがちですので、事前に十分に確認しておくことが大切です。